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夏は響きがにぶる? ― 音と身体の“密かな関係”に気づいた話 ―

横浜で、 【楽器奏者専門ケアコース】がある
マッサージ・はり・きゅう治療SHOKOの 
院長(ファゴット吹き)のブログへようこそ!

8月ですね。
この時期になると感じることがあります。

それは──
「夏になると、音の抜けが悪く感じる」という、自分自身の違和感。
なんとなく?気のせい?

それにしては同じ悩みを抱える奏者の方の声をよく聞きます。

夏の“なんとなく吹きにくい”は、身体が原因かも?

暑さと湿度、そして冷房。
この環境の中で、無意識に身体の深部がこわばったり、
筋肉が脱力しづらくなったりする方がとても多くなります。

例えばこんな声があります:

「喉まわりに力が入って、息が詰まるような感覚になる」
「鳴りきらない感じがして、吹いていて疲れてしまう」
「レガートが途切れがちで、自分の音じゃないみたい」

このような感覚が、夏に多いのはなぜでしょうか?

体幹の“緩み”が、音の芯をぼやけさせる?

楽器奏者専門ケアを受ける方の中に、このような状態が多く見られます。

  • お腹や背中の深部筋の緊張と脱力のバランスが崩れている
  • 横隔膜周囲の動きが鈍く、息が浅くなっている
  • 下半身のむくみやだるさが体幹の安定を阻害している

こうした身体の状態は、演奏時の呼吸効率や姿勢保持にじわじわと影響を及ぼします。
その結果、音の立ち上がりや響きの広がりが“詰まって”しまうのです。

 

楽器奏者の不調は「気のせい」ではない

音が思うように響かない。
息の流れが違う気がする。
演奏していて自分の音が遠く感じる──

これらは、耳だけの問題ではなく、
身体の状態=演奏の土台が整っていないことから生じる場合があります。

そして、それは「夏の身体」特有の変化が、
知らず知らずのうちに影響していることが少なくありません。

 

音と身体のつながりに、少しだけ目を向けてみて

演奏が思うようにいかないとき、
それを「練習不足」とだけ片づけてしまうのは、
ちょっともったいないかもしれません。

音楽を支える身体に、季節が与える影響。
そこにほんの少し目を向けるだけで、
音の響き方が変わることもあるのです。

鍼灸師として、奏者の方に届けたい身体の視点──
これからも、ここで少しずつご紹介していきますね。

 

読んでいただきありがとうございました。

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